こんにちは。
早いもので、ダッカにきておよそ2か月経ちました!
VENTURAS LTDで、私は来た直後から、社員の方と同じくらいの責任と裁量を持っていくつかの仕事をさせてもらっていますが、その中で日々様々な発見と学びがあります。
学び、、というかトラブル?も含め、日本と何もかも違う国なので、日々洗礼を受けています(笑)まったく退屈しません。
今日は、「バングラビジネス、ここが難しい!」と仕事を通じて発見したことを中心に、記事を書きたいと思います。
ちなみに、今私が何の仕事をしているか、ですが、複数ある中で主務の1つが日本語教師、および日本語学校の立ち上げ業務です。
VENTURASにおいて、日本語学校の立ち上げは私がダッカに来る直前、今年の2月から始めたばかりの新規プロジェクトで、「バングラデシュ新卒エンジニアの日本就職事業」の要となる部分です。
VENTURASが日本就職支援事業を立ち上げた背景としては、日本における深刻なITエンジニア不足、という問題があります。
一方で超親日国バングラデシュには、エンジニアとしてのキャリアを、日本で積むことを強く希望している人々が多くいます。
さらに国を挙げてエンジニア人材を育成しており、近年はFacebookやGoogleなどから内定をもらう新卒も毎年出ているそうです。
VENTUASは、日本で働きたいバングラ人ITプロフェッショナルと日本IT企業の架け橋となるべく、この事業を立ち上げました。
ちなみに、私がVENTURASで働く前は、日本語教師という業務が待っているなんて全く想像していませんでした。
もともとバングラデシュ人の日本語教師がいたのですが、会社が用意した指導方針に沿わない自己流で教えていたり、授業時間にも関わらず30分以上も電話していたり、と様々な問題がありました。
何度指導しても改善が見られず、彼は解雇となり、私が急遽ピンチヒッターとなりました。
来る前に、CEOの代里子さんには「うちはベンチャーだからけっこう予期せぬ仕事が急に振ってきたりするかもよ~」と聞いていたものの、バングラデシュに来てから1週間足らずで、早速むちゃぶりが来ました。
「こういうことか!」と思ったのと同時に、とても責任重大な仕事だと感じました。
なぜなら、彼らの日本語がある一定の基準(日常会話レベル)まで達しないと、日本企業への内定が取り消しになってしまうからです。
その上、彼らに与えられた日本語学習の期間は、たったの3か月。
来て早々、こんな大役が務まるのかと不安でした。もちろん今でもまだまだ手探りの状態です。
私が日本語教師になってからも、毎日のように様々な問題に直面しています。
日本ではありえないようなことが当たり前に起きるのがバングラデシュです。
経験したチャレンジは山程ありますが、その中で大きく3つ、「バングラで働くの、ここが難しい!」をご紹介します。
まず1つ目。
時間を守らない
私の場合は主に生徒の話です。
生徒が毎回悪気もなく授業に遅刻してくるとか。1、2時間平気で遅れてくることも珍しくはありません。
その理由はほぼ交通渋滞がひどかったから、というものです。
渋滞がひどいのは今に始まった事ではありません。
交通渋滞がひどいことを見越して、それに巻き込まれないように少し早く自宅を出ればいいだけなのに、それをしないのです。
ちなみに、ビジネスシーンでも「渋滞でアポに遅れます」はあるあるだそうです。
もちろん、時間厳守が出来、規律正しい生徒も多くいます。ただ、遅刻する生徒において毎日、定期的に、遅刻してきます。
2つ目。
言い訳が多い
遅刻したときにの言い訳が「渋滞で・・」は鉄板ですが、その際謝ることは絶対にしません。
ミスを、自分以外の環境や何かのせいにすることに慣れきっている様子です。
生まれたときから社会全体がそうだったから、空気を吸うように言い訳をします。
VENTURASのCEO代里子さんは、社員を採用する時に、自分のミスや間違いを素直に認めて謝ることが出来るかどうか、人物面をとても重視していると言っていました。
間違いとその原因を正しく認められない限り、本質的な解決法につながらず、永遠に物事が進められないからだそうです。
私が教えている学生にとって、遅刻や言い訳の問題は、日本語習得に支障が出るだけではありません。日本社会に出てからのことを考えても致命的なことです。
このままだと時間厳守が当たり前の日本で、彼らが苦労するのは言うまでもありません。
これまでも遅刻してきた生徒に対しては減点していたのですが、それでも改善は見られませんでした。
そこで私は遅刻してきた生徒に対し、理由はなんであろうと、授業に加わる前に他の生徒に謝らせることとしました。
そうすると、授業を中断させている申し訳なさや、謝ることに対して恥を感じるようになったのもあり、完全にではありませんが、改善が見られました。
なんでこんなルールまで決めないといけないんだとも思いました。
しかし、これがバングラデシュだと割り切りました。
すると、不思議と何が起きても楽しく感じるようになりました。
3つ目。
"今この瞬間を生きている"バングラ人
バングラデシュの人々は長期的視野より短期間視野で考える傾向が強いです。
(途上国で一般的に見られる傾向かもしれませんが)
「こうしたら、将来どうなる」という見通しをもって考えることをあまりしないので、継続的・計画的に物事を実行することが苦手です。
(※もちろん、全員がというわけではありません。バングラデシュでもトップ大学を卒業した超秀才達は、非常に優秀です! 念の為.笑)
逆に、彼らは目の前に差し出された課題、または急に発生したトラブル、期限が差し迫ったタスク、などを瞬発力と突破力を発揮して乗り越えるのは結構得意なようです。
VENTURASの社員さんたちも、プロジェクト管理が苦手でタスクは日々遅延していくものの、最後の締切日には火事場の馬鹿力を発揮して、徹夜してでも辻褄をあわせて来る、と代里子さんが言っていました。
そんな彼らは、"今・この瞬間を生きている"という言葉が本当にぴったりに思います。
この日本語学校でも、3ヶ月後のゴールに向けて、学習プランを組み立てる必要があります。授業に出ているだけではなく、1日5−6時間の予習・復習が求められるコースです。
でも多くの学生が計画的に5−6時間の学習をする、というプランニングが出来ていませんでした。
結果、2ヶ月ほど経過し、あるべき学習進捗に遅れが生じはじめ、大きな問題になっていました。
そこで私は、生徒ひとりひとりのタイムマネジメントをしました。
具体的には、参考となる24時間のタイムスケジュール表を作り、それから生活スタイルに合わせた、2週間分の個々人のタイムスケジュール表の作成をしてもらいました。
日本語学習の内容も具体的に5つの項目に分け、目安となるような学習時間の割り振りもしました。
これにより、日本語学習に充てられる時間帯や、その時間の長さを見える化しました。
まずは2週間だけでいいから、と説得しました。
私がこれを紹介し、説明した時の生徒達は目をキラキラさせていて、いかにもやる気に満ち溢れているように見えました。
しかし、そんなにうまくいくわけもありません。
タイムスケジュールの提出期限を守った生徒は半分程。8割くらいの生徒は期限を守ってくれる気がしたのですが。。
でももうこのくらいではめげません!!!
むしろ、絶対に彼らを上手にマネジメントするぞ、という気持ちになりました。
その後は、ひとりひとりとの面談時間を設け、相談に乗ったり、アドバイスをしたりしました。
また、毎日ウェブ教材の進捗状況をチェックし、遅れが出ている生徒とは個別で話したり、反対に計画通りに進められていたり、前日より少しでも進められているほとんどの生徒のことを盛大に褒めちぎる、ということを繰り返しました。
すると、生徒達のモチベーションが上がっていることを実感するようになりました。
日本人の先生が褒めてくれるなら、今日も頑張ろう!という姿が見受けられました。
バングラデシュ人の喜びの沸点はとても低いことが判明しました。
シンプルな思考回路のようです。
だんだんと彼らの扱い方が分かるようになっていきました。
また何人かの生徒は、ウェブ教材を駆使すれば授業に着いていくのが容易い、と気づいた様子でした。
そのような生徒はみるみるうちに上達していきました。
急激に伸びた生徒が何をしたのかをみんなに伝えるために、そのような生徒のウェブ教材の進捗状況を、みんなに見せたりもしました。
すると、刺激を受けたり、計画的に進めれば伸びるということがわかったりしたため、全体のモチベーションアップに繋がりました。
現在、その2週間の期間は過ぎましたが、ほとんどの学生が自主的に学習を進めることができてます。
もちろん、今でも毎日進捗状況の把握に努め、そして褒めちぎっています。
生徒達からもこんなことを授業に取り入れてほしい、といったリクエストも来るようになりました。
私が日本語教師になった頃には想像もしていなかった変化です。
日本語教師を急に任されるなど、思いがけない仕事が入ってくるのも、今となってはVENTURAS でインターンシップをすることの魅力だと強く思います。
こんな責任重大な仕事を、ぽんっと入ったインターンを信じて任してくれるなんて、あまりないことだと思います。
もちろん、大きなミッションを任せた後も、出てくるトラブルや課題を、どうシューティングするかの洗い出し会議や進捗共有を定期的に見てくれています。
ただ、フロントに立つ私が、能動的に日々考え、自発的にPDCAを回していく姿勢を強く求められていることを感じます。
日々の問題を、いかに解決をしようか、と考え、実行し、1回ではなかなか成功しないので反省し、また考え、というサイクルもそれもとても面白いです。
学生のうちから新規事業立ち上げのコアな部分に関われる機会はそうそうありません。
ましてやバングラデシュといった日本人からしたら未知の国で。
体力的にきついこともありますが、とても楽しく、常に頭をフル回転させています。
途上国での教育問題を解決したい!ゼロイチのビジネススキルを身に付けたい!という方、ぜひ一度お話ししませんか?