こんにちは!バングラデシュで現地インターンをしている福田美桜です!
現在、VENTURASは、11月11日の創設10周年というとてもハッピーな記念日を目前に控えています!一方の私はというと、ウェビナーへの参加や企業インスタグラムの投稿作成などの追加業務に追われ、相変わらず落ち着かない日々を過ごしています。
↑先日参加したウェビナーのパンフレット。ゲストスピーカーとして英語で日本の魅力を伝えました。
以前からの業務にようやく慣れてきて少し余裕が出来てきたと思ったのもつかの間、やるべきことは山ほどあるため、またすぐに心の余裕は消え去っていきます...。学生の頃は自分のやるべきタスクを早くこなせばこなすほど、時間にも心にもゆとりが生まれるという生活を送っていましたが、今となっては、余裕を生み出せば生み出すほど、その余裕を埋めるかのように新しい業務がやってきて、結果、業務量が増える(笑)というお仕事ならではの現象を目の当たりにしています。
「そうかぁ。これが、社会人になるということかぁ。」と実感する毎日です。
そんなかんだで少しずつ社会人の洗礼を受けている今日この頃の私ですが、現地インターンをしていて学ぶものはもちろん、社会人になるためのステップだけではありません!しっかりと現地ならではの学びも日々更新されています!そこで今回は、私が先日初めて身近に体験したヒンドゥー教の祭典をテーマに、バングラデシュのお祭り事情についてお話していきたいと思います!
ヒンドゥー教の祭典 in バングラデシュ
↑ダッカの中心地、Bananiという地域の祭典会場。ビルが立ち並ぶこのエリアに突如カラフルな会場が現れます。
バングラデシュでヒンドゥー教と聞いて、ん?そもそもバングラデシュってイスラム国家だからイスラム教徒しか基本的にはいないんじゃないの?と思ったそこのあなた。私もバングラデシュに来る前はそう思っていました。が、どうやら違ったようです笑
バングラデシュは9割以上がイスラム教徒ですが、インドのお隣の国ということもあり、ヒンドゥー教徒も数多くいます。ヒンドゥー教徒の数は国の一割にも満たないですが、バングラデシュはなんといっても人口過密国。その少ない割合でも、ある程度たくさんの人数のヒンドゥー教徒が国内に存在するのです。その他にも、少数派として仏教徒やキリスト教徒も共存しています。
このように、イスラム教、ヒンドゥー教、そして仏教などの信者が共存しているバングラデシュでは、一年間に異なる宗教のイベントが混在しています。その中でも、特に大きな祭典の一つとして国民に認知されているのが、毎年およそ一週間にわたって行われるヒンドゥー教の祭典、Durga Puja(ドゥルガ・プジャ)です!
Durga Puja(ドゥルガ・プジャ)
↑Bananiの会場内。ベースが白で統一されたデザインはとても美しかったです!
一週間程の開催日は毎年変わりますが、2025年の今年は9月27日から10月2日の6日間にわたっての開催となりました。このドゥルガ・プジャ、実はユネスコ無形文化遺産として世界からも大切にされているほど大きなヒンドゥー教の祝祭。中央に力強くも煌びやかに存在感を示す女神ドゥルガを称え祝福するため、毎年多くのヒンドゥー教徒がプジャ会場に足を運ぶそうです。
「プジャ」とはそもそも、ヒンドゥー教徒の儀式のことを指すため、プジャ自体は年がら年中あります。しかし、それぞれのプジャで祝福する神様が異なり、その中でも女神ドゥルガへの儀式、ドゥルガ・プジャは特に重要な儀式・祭典として認知されているようです。
↑Merul Baddaにある会場。この会場ではテレビクルーを発見。さすが、大きい祭典。
正直私は、最初はプジャ自体も良く分かっていなかったため、プジャについて教えてくれている同僚が「ドゥルガ・プジャの後はまた違うプジャがあります。プジャは一年中あります。」と言ったとき、何でプジャは終わるのにまたプジャがあるんだ、一体どういうことだ、と理解が出来ませんでした。ここでいうプジャは、日本でいう「〇〇祭り」の「祭り」のようなものなんですが、それが違う言葉で表現されたとたん、急に簡単なものも訳が分からなくなるんですね....(今は多分ちゃんと理解出来てます笑)。
そもそも、私がヒンドゥー教についてその程度の知識しか持っていなかった理由は、これまでヒンドゥー教を身近に感じたことが一度もなかったからです。日本で触れる仏教や神道に加えて、ヨーロッパにてキリスト教、そしてトルコにてイスラム教に触れる機会はあったため、それらの宗教に対する理解はある程度ありました。しかし、ヒンドゥー教に関しては、学校の社会の授業などを通して存在を知っていただけ。「あ、あのインドが起源の宗教ね。」とどこか遠い国のことのように捉えていて、身近に感じる機会はほぼゼロでした。ちなみにバングラデシュに来てからも、しばらくはバングラデシュ=イスラム教と思っていたため、プジャのことを聞くまではヒンドゥー教のことを考えたことすらありませんでした。
そんな予備知識ゼロの私が、ドゥルガ・プジャを先日初体験!6日間と長期の開催となりますが、一応日本大使館からの事前の注意喚起もあったため、半日という短時間に気を引き締めながら3つの会場を回り、現地のプジャを同僚と一緒に堪能してきました!
↑Aftab Nagarにある会場。Bananiの会場は白を基調としていたが、こちらとMerul Baddaにある会場はカラフルなデザインを採用するなど、会場によって違うオリジナリティを楽しめます。
まず驚いたのが、会場ごとに異なるデザイン。ヨーロッパでたくさんの教会を訪れた際に、キリスト像の形や色が大きく異なることなんてありませんでした。しかし、プジャの二つ目の会場に着くや否や、「あれ、形と色、さっきと全然違くない??」と思いました。BGMに関しても、伝統チックな落ち着く曲が終わったと思えば、急にクラブのように激しい音楽が流れだすなど、意外とヒンドゥー教の祭典スタイルは自由のようです。
会場外には出店が並び、日本のお祭りと同様におもちゃや風船、屋台で通りはにぎわっていました。また、バングラデシュは家族との交流をとても大切にするお国。友達同士で会場に来るというよりかは家族そろってお祭りを楽しんでいて、会場内外はとても暖かい雰囲気に包まれていました。
Kali Puja(カリ・プジャ)
賑やかなドゥルガ・プジャが幕を閉じ、「すごく新鮮な経験で楽しい思い出だったけど、もっと違う会場も行くべきだったな」と少し名残惜しさを感じていたさなか、そこから一ヶ月も待たずしてまた違う神様のプジャが始まることを知りました。「え、こんなすぐにまたやるの?この間Durga祝ったばっかじゃない?ヒンドゥー教の人、切り替えのテンポ早すぎない(笑)?」と正直思いましたが、それと同時に、前回行くことが出来なかった会場に行ってみるチャンスだとも思い、カリ・プジャも楽しんでみることにしました!
↑ダッカ大学内にある会場。ダッカ大学出身の同僚に案内してもらいました!
カリ・プジャの神様、KaliはDurgaとは異なり舌を出しているのが特徴。よく見ると手の本数や周辺のデザインもDurgaとは大きく異なることがわかります。調べればそれぞれの神様の意味やデザインが示すストーリーがわかるためここでは説明はしませんが、ヒンドゥー教スタイルのストーリーの汲み取り方を理解することが出来てとても興味深いですよ!個人的に、それぞれの宗教を比較して多様な考え方を知ることが好きなため、新たにヒンドゥー教について理解を深めることが出来たのはとても良い経験でした!
また、オールドダッカ会場のプジャを経験できたことも凄く良い思い出です!ここは他の会場とは異なり、区画ごとに異なるデザインの神様がいるだけでなく、それぞれ違うテイストの音楽やライトアップで盛り上げていて、区画ごとに違う雰囲気を楽しむことができました!オールドダッカという一つの会場を回っただけでも、何十個もの会場を回った気がします!
↑オールドダッカの会場内。イルミネーションも設置されていて、多くの家族連れが一緒に写真を撮っていました!
魅力的なイベントで年中賑やかなバングラデシュ
今回はヒンドゥー教の祭典をご紹介しましたが、前述したように、バングラデシュはイスラム教、ヒンドゥー教、仏教、キリスト教のように多宗教のイベントが混在する国。そんなこともあって、4月にはベンガル暦上の新年を記念したお祭りであるポヘラ・ボイシャキ、6月にはイスラム教徒にとって大事な祝祭である犠牲祭、そして12月にはキリスト教のお祭りであるクリスマスが祝われるなど、一年を通してたくさんのイベントがあります。
異なるイベントですから、異なるイベント内容を楽しむことが出来るのはもちろんなのですが、それに加えて、イベントを体験することでそれぞれの宗教柄が反映されたファッションや売り物の違いを見ることが出来ることは個人的にはとても良い経験だと思います!今回のプジャに関してはヒンドゥー教のお祭りですから、会場付近はインドの伝統衣装であるサリーを着た女性たちであふれていました。普段からサリーを着ている人をちらほら見ることはありましたが、サリーを着ている人であふれている空間に入り込むと、普段とは違うヒンドゥー教に染まった空間を体験することが出来ました。このように、一年を通して他宗教の特徴を反映した空間を体験できるのは、あまり広くは知られていないけど、とても素晴らしいバングラデシュの一面だと思います!
正直バングラデシュに来る前は、バングラデシュの観光の要素には全く期待していなかったのですが、インターンを通して現地に長期滞在することによって、意外と楽しいイベントであふれている国であることに気づきました!「現地に来たからこそ知ることが出来た」というこの事実を踏まえて、改めて現地インターンの価値や魅力を深く実感すると同時に、現地インターンという選択を迷わずにした数か月前の自分を心から褒めてあげたいです(笑)。
きっとバングラデシュが世界中の人にとってメジャーな旅行先でないからこそ、インターネットから簡単にはたどり着くことのできない、発掘しがいのある情報がこの国にはまだまだあります。私はまだ滞在二か月目ですが、すでに自分が想像していた以上の発見を経験しています。今後も新しい発見などがあった際には、また皆さんに共有するためにブログを執筆していきたいと思います!